訃報:リチャード・アヴェドン(ファッション・肖像写真の巨匠)

【ニューヨーク1日時事】米メディアによると、著名写真家のリチャード・アベドン氏が1日、テキサス州サンアントニオの病院で脳内出血による合併症のため死去した。81歳だった。ニューヨーク在住だが、撮影で訪れた同州で、入院していた。
1923年ニューヨーク市出身。45年から65年まで米ファッション誌「ハーパーズ・バザー」、その後「ヴォーグ」のスタッフ写真家として活躍。20世紀のファッション写真界を変革したと評価された。真っ白の背景に被写体を浮き立たせ、隠れた個性を引き出す独特の手法で知られ、アンディ・ウォーホルやチャーリー・チャプリンマリリン・モンローなど数多くの著名人の肖像写真を手掛けた。一方、公民権運動など社会性の高いテーマにも関心を持ち、ドキュメンタリー作品も残している。写真家とモデルのロマンスを描いたフレッド・アステアオードリー・ヘプバーン主演の映画「パリの恋人」(57年)のモデルにもなり、作品の映像コンサルタントも務めた。99年には、歌手、宇多田ヒカルさんのCDジャケットの写真を担い、日本で話題になった。92年からは米誌「ニューヨーカー」の初のスタッフ写真家となり、25日に脳内出血で倒れた際も、同誌の仕事でテキサス州を訪れていた。(時事通信