会津泉『インターネットガバナンス・理念と現実〜インターネットのルールは誰が作り、誰が管理すべきなのか?』ISBN:4757101449

インターネットのドメイン名、IPアドレス、そして両者の変換・利用を可能とするルートサーバーシステムの運用は、これまで民間組織であるICANNによって自主的に行われ、実質的には政府の管理を受けてこなかった。▼ルートサーバーの法的管轄権はアメリカ政府にあるとされているが、世界で40億の人間が利用しているインターネットはもはや人類の「公共資源」である。国家のみならず、産業界、そして市民社会をも巻き込んだ運用体制への取組みが切実に求められている。▼本書は、この問題を理解し、重要性を認識するための必読の書といえるだろう。
【目次】
序章 WSIS東京準備会合 台湾NGOの参加で紛糾
1章 なぜ情報社会サミットなのか 智民の台頭
2章 インターネットガバナンス 政府管理の強化をめぐってWSIS最大の争点に
3章 ICANNの歩みと課題 グローバル・ガバナンスのテストケース
4章 デジタルデバイドとICTのガバナンス ドットフォースに参加して
5章 グローバルなガバナンスの理念とは 求められる新たな多元主義
6章 今後の展望 日本の課題―アクティビズムの実践へ
終章 おわりに 911の悲劇を超えて