佐伯真一『戦場の精神史―武士道という幻影』 ISBN:4140019980

武士道が唱える武士の潔癖な倫理・道徳。 だが、武士は本当に正々堂々と戦い、卑怯な行いを嫌ったのだろうか。『平家物語』「越中前司最期」や『太平記』「阿保・秋山河原軍の事」をはじめとする、数多くのだまし討ちシーンを分析することから、謀略と虚偽を肯定する戦場独特の倫理感覚を明らかにする。 「武士道」の虚像を剥ぐ画期的論考。

序章 だまし討ちを考える―『平家物語』「越中前司最期」から
第1章 神話の戦争・征夷の戦争
第2章 戦場のフェア・プレイ
第3章 掟破りの武士たち
第4章 「武士道」の誕生と転生
終章 合戦は倫理を育てたか

佐伯真一 1953(昭和28)年生まれ。同志社大学文学部卒業。東京大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は中世文学
書評
中野不二男 http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/syohyou/20040718ii05.htm
五味文彦 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/archive/news/2004/06/27/20040627ddm015070149000c.html