NHKハイビジョン特集「夕張 年老いた町で 医療再生 700日の記録」

PD:米原尚志 制作統括:戸沢冬樹

冬、雪に閉ざされた北海道夕張市財政破綻した町で「医療再生」に挑む医師がいる。村上智彦さん47歳。「夕張を、お年寄りがよりよく生きて死んでいける町に変えたい」・・・村上さんが経営する市立診療所では、従来の医療の枠を超えた試みが行われている。
その柱が「訪問診療」だ。毎日、高齢者の家を車でまわって健康を管理し、看取りも自宅で行う。「病院という医療費を食いつぶす“箱”に患者を囲い込むのではなく、患者を家に帰して地域全体を“病院”にすれば、患者も医療財政も救われる」と村上さんはいう。そして、もうひとつの柱が「老人保健施設」。病のいえた高齢者のリハビリを行い、自宅に戻す。この訪問診療と老人保健施設を車の両輪に、夕張では自宅で元気に暮らす高齢者が増えた。家族と暮らすことで、体だけでなく「心が元気になった」のである・・・
番組では、村上医師と彼のチームの取り組みを長期にわたって密着取材し、「超高齢化時代に求められる医療とは何か」を見つめる。全国的な「医療崩壊」が問題になるなか、財政が破綻したはずの夕張から始まった「医療再生」の息吹きを克明に記録していく。