NHK-Hi/ハイビジョン特集『史上空前の論文捏(ねつ)造』〜第46回科学技術映像祭・文部科学大臣賞受賞作品〜

http://www3.nhk.or.jp/omoban/main0309.html#05
PD: 村松秀  GP: 貴志謙介

 科学界に起こった、空前絶後の論文捏造事件。その詳細をスクープも交えドキュメントしたハイビジョン特集を放送する。
 過去にノーベル賞受賞者を11人も輩出した、アメリカが誇る科学の殿堂・ベル研究所
ここに所属する、当時まだ29歳の若き天才科学者が、21世紀の私たちの暮らしを激変させるインパクト十分の新発見を、次々打ち立てた。その男、ヘンドリック・シェーンは、いま最も注目を集める「超伝導」という分野で、科学雑誌の最高峰、「サイエンス」と「ネイチャー」に計16本もの論文を掲載。世界中の大学や企業の研究所など、百を超す研究チームが追試に追われ、10億円もの資金が使われたほど、科学界を熱狂の渦に巻き込んでいった。ついにシェーンは、ノーベル物理学賞の有力候補とまで言われるようになる。
 そしてちょうど3年前、彼の研究がすべて<捏造>だったことが判明する。
 科学界に走った衝撃は凄まじかった。いったいなぜ、捏造が起きてしまったのか? なぜ、これほどの捏造を誰も見抜けなかったのか?
 発覚から丸3年。今回の取材で、ようやく世界の関係者たちが重い口を開き始めた。いくつものスクープ証言から浮かび上がってきたのは、捏造事件の裏に潜む、科学界が内包する構造的な問題点である。番組では、今回新たに得た要人のインタビューも含め、捏造の過程を詳細にドキュメントし、最先端科学の現場に根付く病巣を描き出していく。