読売新聞社が第三者名義で、地方放送局42社の株式を保有。12社は省令制限を超える(毎日新聞)

『読売新聞:地方放送局42社の株保有 12社は省令制限超 』

 読売新聞グループ本社(東京都千代田区)は11日、日本テレビ放送網のほかに、地方の放送局42社の株式を、役員など第三者名義で実質的に保有していると発表した。うち12社では第三者名義分を含めた実質保有株数が、電波法に基づく総務省令による持ち株制限を超えていた。同社は今後、松田昇・前預金保険機構理事長を委員長とする「株式問題調査委員会」を設け、詳しい経緯などを調べるとしている。同社によると、グループ本社と子会社のうち読売新聞東京本社、同大阪本社の計3社が会社名義で放送局の株を持っている。これに加え、渡辺恒雄グループ本社会長を含む各本社や関連会社の役員延べ80人、取引先などの法人延べ13社が名義上の保有者となった株もあり、実質的には3社が保有していた。読売新聞が株券を保管し、配当金を受け取っていた。
読売新聞が制限を超えて株を実質保有しているのはテレビ局9社(テレビ岩手、宮城テレビ放送福島中央テレビテレビ新潟放送網静岡第一テレビ広島テレビ放送、福岡放送、テレビ大分テレビ長崎)とラジオ局3社(FM岩手、FMナックファイブ、FMラジオ新潟)。42社のうち他の30社の社名は明らかにしなかった。
 総務省令は、表現の自由の多様性を確保するため、メディアが他の放送局の株を保有する際、(1)地域をまたいで、複数の放送局について20%以上(2)同一地域の複数の放送局について10%超−−の株主議決権を持つことを禁じている。読売新聞は読売テレビ放送の株20%以上を持っているため、他の放送局の株を20%以上持つことはできない。だがテレビ9社についてはいずれも実質保有比率が20%以上に上る。ラジオ3社も同一地域で他に10%超の株を読売新聞が持つ放送局があるのに、実質的に10%超の株を保有していた。読売新聞は42社を含め100社(テレビ57、ラジオ43)の株を保有している。第三者名義株の一部は昭和30年代からあったという。42社は非上場で、一般投資家は株を購入できない。証券取引法に基づく有価証券報告書を財務局に出す義務はない。
読売新聞グループ本社内山斉社長の話・・・・過去からの株式管理に手抜かりがあり、誠に遺憾。一層の透明性を図るため、社外の専門家による調査委員会に厳正な調査をお願いしました。問題の早急な是正と信頼の回復に最大限努力します。

『地方のテレビ・ラジオ局12社、読売が持ち株制限超す』日本経済新聞(2004/11/11)

 読売新聞グループ本社読売新聞東京本社は11日、両社と読売新聞大阪本社の3社が日本テレビ放送網のほかに、地方のテレビ局24社、ラジオ局18社の株式を第三者の名義で実質保有していることを明らかにした。いずれも株式の非公開会社で、このうちテレビ局9社とラジオ局3社は第三者名義分を加えるとメディアの持ち株制限を定めた総務省令のマスメディア集中排除原則の制限を超えていた。同日、読売新聞グループ本社の山口寿一社長室次長兼法務部長と読売新聞東京本社の中井一平広報部長が東京・大手町の両社本社で会見し、明らかにした。
 同グループ本社では、元東京地検特捜部長で前預金保険機構理事長の松田昇氏を委員長とする「株式問題調査委員会」に委嘱し、全容を解明するとともに、早急に是正策をまとめる方針だ。
 3社はそれぞれ自社名義のほか、役員や関連会社役員などの個人のべ80人、取引先など他の法人のべ13社名義の株式を実質保有していた。個人名義には渡辺恒雄グループ本社会長なども含まれている。 (20:33)