朝日新聞 「ベトナム以来の大市街戦」 米現地指揮官

『 「ベトナム以来の大市街戦」 米現地指揮官 』朝日新聞

 米海兵隊のケント最上級曹長は7日、ファルージャ攻撃について、約2500人の隊員に対し「お前たちは歴史をつくる現場にいる」と鼓舞。ベトナム戦争の激戦地となった都市フエを挙げ「(今回の作戦は)もう一つのフエだ」と強調し、「ベトナム戦争以来の大規模市街戦」になるとの見方を示した。AP通信が伝えた。フエの戦闘との類似を強調する現場指揮官は他にもおり、発言は米CNNや中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどが取り上げた。
 1968年の北ベトナム軍と解放戦線軍の一斉蜂起(テト攻勢)で激戦地となったフエは、約4週間の米軍の攻撃で徹底的に破壊された。東京国際大学前田哲男教授(安全保障論)は「フエでは抵抗側は王宮に立てこもったので、市民との区別ができ、時間はかかったが米軍は掃討できた」と説明する。だがベトナム戦争では、テト攻勢が分岐点となって、米軍は73年に撤退した。前田教授は「ファルージャのような込み入った街では、市民と武装勢力の区別が難しい」と違いを説明。さらに「たとえファルージャで勝利しても、市民の犠牲者が多ければ、イラクの安定という政治的勝利には結びつかない」と分析する。