マイケル・ムーア インタビュー/ジョン・キャンディの大進撃とアトミック・カフェ

by 町山智浩  http://www.eiga.com/special/fahrenheit911/02.shtml
マイケル・ムーアのお好み

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――選挙中の大統領候補を暗殺しようと狙う男を描いた「タクシードライバー」が1番好きな映画と聞いたんですが。
「『タクシードライバー』は2番目。1番好きな映画は『時計じかけのオレンジ』さ」
――どっちも暴力的な映画ですね。
「暴力的なんじゃなくて『暴力についての』映画だよ」
――将来、日本についての映画を撮る気はないですか?
「日本には僕よりもすごいドキュメンタリー映画作家がいるからなあ。僕はあの映画が大好きなんだ。『ゆきゆきて神軍』(87)は僕が生涯観た映画の中でも最高のドキュメンタリーだ」
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※このインタビューで思い出した。。。また、見たい。。 『 ジョン・キャンディの大進撃(1994)』(Canadian Bacon)
http://www.eiga-kawaraban.com/96/96080601.html
※おかげで、「アトミック・カフェ」が、また見られるそうな。。。
http://www.takeshobo.co.jp/movie/atomic/index2.html
衝撃?のスタッフ

★ケヴェン・ラファティ
 ブッシュ現大統領のいとこにして、映画監督・撮影・製作者。マイケル・ムーアに言わせると、「グリニッヂ・ヴィレッジに住む宿無しタイプの芸術家」。ハーバード大学卒業後、カリフォルニア芸術学院の映画学校に入学。撮影、編集の仕事を続けながら1975年、精神病院で薬漬けにされている患者の姿を追った初のドキュメンタリー作品「Hurry Tomorrow」を共同監督。その後、弟のピアースに誘われてアーカイヴ・プロダクション(後の「アトミック・カフェ」)に参加。5年の歳月をかけて本作を完成させた後に、マイケル・ムーアに映画の撮り方を指導。「ロジャー&ミー」(1989)では撮影を担当した。フッテージを巧みに使った「アトミック・カフェ」タイプのドキュメンタリー映画も引き続き制作。1991年、アメリカの白人至上主義グループ(ネオナチ、ファシストKKKなど)の信仰、歴史や重要人物に迫る「Blood in the Face」を発表。次いで92年ニューパンプシャーでの大統領予備選の舞台裏を描いたドキュメンタリー「Feed」を発表。テレビでの公開討論に臨む直前の政治家たちの姿(ジョージ・ブッシュ(父)、パット・ブキャナン、ビル&ヒラリー・クリントン他)が収められている。そして99年の「The Last cigarette」はタバコ産業界の欺瞞を映画、教育フィルム、テレビCMなどのマテリアルを駆使してブラックに告発している。一貫してアメリカの歪みをテーマに据えるその姿勢は健在である。
【Filmography】
1975 Hurry Tomorrow (監督)
1982 アトミック・カフェ(監督)
1989 ロジャー&ミー(撮影)
1991 Blood in the face(監督)
1992 Feed(監督)
1993 クリントンを大統領にした男(撮影)
1999 The Last cigarette(監督)
★ピアース・ラファティ
 ケヴィンと同じくブッシュのいとこ。兄とは違い、最初は映画制作そのものにはさして関心のない、どうやら単なるコレクターだったらしいが、自分が収集したアメリカ政府製作映画のカタログ本(「アメリ政府広報映画3,433本」)に感銘を受け、後に「アトミック・カフェ」として結晶する、プロパガンダ・フィルムを集めた映画を作ることを思いつく。この映画のリサーチや編集作業を通じて、アーカイヴフィルムにめっぽう詳しくなった彼は、「アトミック・カフェ」の後にもう一本、既存のフッテージで構成した映画「Heavy Petting」(1989)を監督。これはセレブたちが自分の初体験の思い出を語る映像で構成されたものだが、そのセレブというのがデヴィッド・バーンアレン・ギンズバーグウィリアム・S・バロウズローリー・アンダーソンなどなど、という辺りに彼の趣味が伺える。その後フッテージ映像ビジネスを興しドキュメンタリー映画コンサルタントとして活躍している。
★ジェーン・ローダー
 ミシガン大学アメリカン・スタディを専攻。大学院を中退後、映画理論を教える傍ら、フリーランスのジャーナリスト、映画批評、ゴーストライターなどを務める。「アトミック・カフェ」の後、動物虐待についてのドキュメンタリー「Why do we treat them like animals」に着手するも、資金不足や訴訟などが重なり頓挫。「アトミック・カフェ」のアウトテイク他、膨大な映像資料を集めたCD−ROM「Public Shelter」を発表。同時に小説家としても活躍し、現在までに小説を2冊上梓している